「日本を離れてからのルネ」のページから、今週アップした1978年10月14日付けのトロントスター紙のルネの記事を紹介します。
この記事は、グループの活発なメンバー、ローラさんが持っていたものでした。この当時ルネは、17歳。カナダの英語圏で放送されるテレビ番組をバンクーバーのスタジオで収録する忙しい毎日を過ごしていました。この記事には、番組 The Rene Simard Show「ルネシマールショー」のこと、英語での収録に苦労したり、大人になりつつあるルネの様子が書かれてあります。記事の後には、グループのメンバーであるシャンタル博士がyoutubeで紹介しているルネシマールショーの映像のリンクもありますので、記事と合わせてお楽しみくださいね。この当時のルネの様子は、私にとって、とっても知りたかったことだったので、この記事をドキドキしながら読みました。日本時代から3年経ったルネの様子をみなさまにもそんな気持ちで楽しんでいただけると嬉しいです。
毎週ヒゲを剃るようなって、成長したルネ
大人っぽくなったスーパーキッドは、背の高さもダンサーと同じになりました。
トロントスター紙 Sid Adilman
バンクーバー発 1978年10月14日
午前9時30分、バンクーバーのCBC の建物の外には、 午後6時から配布、そして8時から入場の無料のチケットを待っている女の子たちが、ガムをかみながら待ちきれない様子でいます。
トロントスター紙の記者をその建物まで連れてきたタクシーの運転手は、「あのカエル(フランス人)の男の子をケベックに送り返してくれ!」と言いました。
モントリオールのla presse 紙は、「彼は、ピエールトルドーの擁護者である。」と厳しい調子で非難しています。
CBC−TV のバラエテイのチーフ、ジャックマックアンドリュウ氏は、彼のことをこのように言います。「彼は、私が今まで一緒に仕事をした中で最もプロのパフォーマー である。そして彼は性格が良くて癇癪をおこしたことが一度も無い。少し癇癪をもったほうがいいと言っているぐらいである。」
バンクーバーのCBC広報課のレグジェサップさんは、建物の周りに朝から列を組んでいる女の子たちを見て「やれやれ、あいつがバンクーバーにもどってきたから、どこにでも女の子たちがいるようになった!」と言っていました。
怒りや興奮で満ちあふれているようでした。この男の子は、パンクロッカー?!
いいえ、この男の子は、CBCTVとその2百万人の視聴者のために、番組の続編を収録に戻ってきたスーパーキッド、ルネシマールのことです。
彼は変わった。
新しい続編では、ルネはもうキャンデーストライプのジャンプスーツをきたり飛び跳ねたりは、しません。ルネの近くに行くと少なくとも一週間に一度ルネがヒゲを剃っていることがわかります。成長したルネがカジュアルスーツをきてカメラの前に立ちます。そして、ホテルの喫茶店では、ジーンズで。
「僕 は、自分がスターであるという気がしません。」ルネは、落ち着いて言います。「スターである人はいないと思うのです。なぜかというとスターといえるのは、 パーフェクトでなければならないからです。そして僕はパーフェクトな人間ではありません。バンクーバーでのTVのショー番組 でもたくさん直さなければならないことがあるし、自分自身のことについてもそうです。」
ケベック州では、9歳のときからプロとして活躍し ているルネですが、カナダの他の州ではまったく知られていませんでした。マックアンドリュウ氏は、「ルネは、アベマリアを歌っていた天使の歌声のボーイソ プラノの男の子でした。昨年ルネのショーを始めた頃は、初めての変声期が始まっていたころでした。そしてその後収録がはじまってからルネの声がハーフトー ンも落ちていることがわかったのです。」
少しずつジャンプスーツは、三つ揃いのスーツに変わり始め、8ヶ月をすぎた今は、カジュアルなル ネに変わり始めようとしています。「ルネは、私にもマネージャーにも言わずに前髪を切ってしまったのです。」とクロデイーヌバチョーは言います。彼女は、 マネージャーであるgcの代理人でgcが8年前にルネのマネージメントをはじめて以来ずっとルネの世話係としてルネといっしょに行動しています。
「ルネは、ほんとに私の目の前でぐんぐん成長しているのがわかります。」とクロデイーヌは、ため息をつきます。「ルネが成長していくのは、小さな頃からずっと近くにいてルネをみてきた私にとっては、少し寂しいことでもあります。」
結 局のところ、ルネは、もう17歳なのです。そして、キャメロという自分の車があり運転もしています。Gcによると、ルネの年間所得額は、400,000ド ルにもおよびます。これは、TV番組や、ケベックでのレコーデイング、ペプシカナダのスポークスマン(広告)そしてコンサートなどからの所得です。
高額なおこずかい
カナダの典型的なテーンエイジャーとはまったくちがい、ルネのおこずかいは、しゅうに100ドルです。残りのお金は銀行に預けられます。これは、法できめられていることであり、18歳になるまではこのようにルネのお金が管理されます。
ル ネのイメージをつくりあげようとしていると非難されているマックアンドリュウ氏は、「イメージをつくりあげる問題ではない。ルネの成長に応じてルネのイ メージをだしているだけである。今のルネにジャンプスーツを着させるのは、とても可笑しすぎる。衣装担当に頼んでいることは、ルネの衣装が大げさになった り派手になったりしすぎず、すこし普通のものにしてほしいということだけです。今の子供たちは、ただジーンズだけをはいているのではありません。デイスコのせいで、もっとコーデネイトして洋服をきるようになったのです。」
CBC バンクーバーの衣装デザイナーは、テーンエイジャーのTVスターの衣装には慣れていなくて、ルネにどんな衣装を着せていいのかよく理解していませんでし た。ですから、ルネとクロデイーヌがあまり好んでいないコーデイネイトした衣装(新しいデイスコのセットに合った色で、前回のショーに出演していた若いダ ンサーたちが着ていたような衣装)をデザインしてルネに着せていたのです。ルネは、与えられた衣装を自分なりに工夫してオープンシャツをきたり、スカーフをしてみたりして着ていたのです。
ルネは、数年前にロサンジェルスでジャズダンスを習っている間に、英語を学びました。ですからそんなルネにだれも、ショーをどうしたいのか、ショーのなかで話したいことは何か、訊こうとする人はいませんでした。
ルネには、他の人が考えたショーのための会話が用意されていました。
ルネにとって英語でおしゃべりをすることは、そんなに簡単なことではありませんでしたから、ルネが失敗してしまうたびに収録のし直しがたくさんあり、ルネを見るために一日中待っていた女の子たちも疲れてしまうほどでした。
ショー のプロデユーサー、アランテイックが一休みの合図をするとルネは、「むずかしい、むずかしい」と自分で繰り返していました。緊張をほぐすためにルネは、会 場の観衆にアルエットの歌を教えて一緒にうたっていました。その様子をカメラが撮っていなかったことは残念です。なぜならルネの様子は、リラックスしてい て最高の瞬間だったからです。
後になって、ルネは、シリーズになっているショーの収録がどんなものであるかを知らなかったことを認めています。そして特に、ショーの制作の費用やアメリカ人のゲストを起用するために、ショーの収録を一度にたくさん行わなければならないということを。
急がされている気がする
「去 年は、とても急がされていました。」とルネは言います。「ですから今年は、去年のようなやり方ではやりたくないと言ってあるのです。去年は、2週間と ちょっとの間に10本のショーを収録しなくてはならないほどでした。そしてそれ以前には、3日間でその全てのショーで唄う歌の録 音をしなくてはならなかったのです。信じられないくらい大変なことでした。僕は人間です。声も大切にしなくてはならないのです。だから忙しくて頭がおかし くなりそうでした。一度など、僕に何もいわないで、他のみんなが一休みして、コーヒーをのみにでかけていってしまったこともありました。その間僕は一人で 仕事をしていたのです。」
マックアンドリュウ氏によると、「ルネは、129曲の英語の歌を覚えなくてはならなかったのですが、それは、英語を母国語としていない人にとってはとても大変なことです。去年の仕事のスピ−ドはとても早すぎました。今年はもっと時間がありますから少し楽になりましたが。」
「でも考えてみてください。ルネは、私達のショーの仕事だけをしているわけではありません。ツアーしていろいろな場所を旅行したり、学校にいったり(グレード12。日本の教育システムでは、高校3年生ぐらいですね。)、モントリオールでの仕事も持っているわけです。」
「ショー ビジネスの世界では、子供のスターは、大人に利用されるとよく言われますが、ルネの場合は少しちがうかもしれません。ルネのマネージャーのgcはいつもル ネのそばにいます。仕事に関係しているマネージャーのような人は、どんな仕事の内容にしたいのかを決めたいと思うのは当たり前のことでしょう。ルネのマ ネージャーは、自分の仕事をきちんとしているだけのことなのかもしれません。」バンクーバーで、ルネはこの話に同感しています。
「英 語を話すことは僕にとってとても新しい経験であり、英語でゲストを紹介したりすることにも慣れていませんでした。ゲストの名前さえ正確に言うこともできま せんでしたから、とても申し訳なく思いました。だれも何もいいませんでしたが、僕はちゃんと英語を話したかったのです。それから(英語圏で)ヒット曲を出 したいと願っています。ケベックでは、(ヒット曲がありますから)気分がいいのですが、カナダの英語圏では、そんな気持ちになれません。」
皮肉にも、ルネは、英語でのヒット曲を出さないままでTVのスターになってしまいましたが、来週、RCAカナダと契約を結ぶことになっています。契約の中には、ルネの曲のための作曲家や作詞家もRCA が提供することになっています。
そして、来年の春には、毎週のTVショーを辞めたいといっていたルネですが、あと一つのシリーズを続行させたいと願っています。CBCは、ルネを疲れさせることなく、来年ルネのスペシャル番組をいくつか制作したいと考えています。
若いけれどもお金持ち
18 歳になると、ルネはお金持ちになります。ルネは、ショービジネスから引退するのでしょうか。「いいえ、絶対そんなことはありません。」とルネは微笑みま す。「ショービジネスは僕にとって、麻薬みたいなものです。一度するともっと必要になるのです。(もちろん僕は麻薬をしませんが!)2週間ぐらい家族に合 える時間があるとき、とても嬉しいです。けれども何もしないでいるのは辛いことです。僕には、何か楽しみにしていることが必要なのです。休暇の後に何か準 備することが必要なのです。」
ルネは、ケベックで英語圏でルネがTVショーをしていることについての辛辣な批評をどう感じているのでしょうか。
「ケベックで批評家が何を言っても僕は気にしません。ケベックのフランス語のTVのネットワークは、僕にショー番組をしてくれと頼んだことはなかったのですから。」
マックアンドリュウ氏が、去年(ケベックの)CBCのラジオカナダにルネシマールショーのバイリンガル版(フランス語版)を制作してみないかと持ちかけましたが興味を示さなかったそうです。
「ケ ベックのフランス系のパフォーマーも、英語系のネットワークでのこのようなショーの仕事をしたいと思っているのです。そのためなら、ひざまずいて頼むで しょう。そんな人たちは僕がこのショーの仕事をしていることに反感をもっているのかもしれません。なぜなら英語系のネットワークからこのような仕事を頼ま れなかったからです。僕は、ある人たちのように政治的ではありませんから。」
「もしある日、僕がカナダよりアメリカで人気者になってもアメリカには住むことはないでしょう。そんなことはできません。カナダの人たちを失望させられません。僕の住む家は、いつもカナダにあり続けるでしょう。」
何人かの批評家たちは、ルネが英語系のネットワークの仕事をしているのはカナダ統一についてのCBCの考えだと言っています。
「ル ネがケベック出身という事実は、偶然ということにすぎない。」とマックアンドリュウ氏は、言っています。フランス語のアクセントがあるので、ケベック出身 ということは、ルネという人を少し異国的または、ちょっとちがったフンイキの人に見せている程度です。去年、7月1日に雨の中、オタワで唄うルネを、 800万人の人が観たのです。ルネが人気者になるということが一目瞭然でした。ルネの人気が(英語圏で)でるのは、もうすぐなのです。
「60 年代は、ルネシマールが人気になるという状況はどこにもありませんでしたが、70年代は、もっと伝統的または控えめな時代です。少女たちがルネを愛し、母 親の年代の女性たちは、自分の家にいる誰かを愛するようにルネを愛するという具合です。ルネは、若い十代初めの女の子、そしてもっと年代の上の30歳から 50歳ぐらいの女性たちに人気があるのです。」
「今 年は、ショーのダンサーをもっと若い年齢の人たちにしたのです。リサーチによると多くの視聴者が去年のダンサーのことを良く思っていなかったのです。去年 のダンサーはルネより年上だったせいです。潜在意識だったのです。つまり視聴者は、(ルネの周りで踊る年上の)ダンサーたちに嫉妬していたのです。」
ルネにそのことを話すとルネは、おもしろそうにわらって、「僕のすぐそばで踊っているから嫉妬ですか。へえ、もっとその話を聞きたいですね。もっと教えてくださいよ。」と言うのです。
ルネシマールショーのテーマ曲の映像
'another saturday night' and 'still the one'
'you've got a friend...Rene and Regis Simard
ebay で見つけたルネシマールショー当時のルネの画像
ルネシマールショー関係のサイトを読んでいた時に見つけたルネと
CBCの番組スタッフとの写真。ルネは、赤いセーターを着て中央に座っています。
CBC GROUP SHOW -Alex Waterhouse-Hayward
先週と今週末の一人ずつ日本からのファンの方がグループに参加されてグループの人数は25名となりました。日本の方は、私も含め8人となりました!まだまだカナダのファンの方のほうが多いグループです。日本のファンの方の参加をまた楽しみにお待ちしています!
nekonomiminoura - group owner