11.5.14

ルネの全米進出の計画と二人のマネージャー その2



BONNE FÊTE DES MÈRES !

ボンフェデメール!

母の日おめでとうございます!


Martin Jarrie(マルタン・ジャリ)の原画カーネイション
source:イラストユーロ


今日は、母の日。日本でもケベックでも、そしてニュージーランドでもお母さんに感謝をし、いつにも増して、母親のことを想う日だと思います。私も天国にいる義母と日本で元気に過ごせるようになった母のことを想い感謝をする時間を持ちたいです。母に贈ったお花はもう届いたという連絡が来てとても嬉しそうでした。ルネのママ、ガブリエルさんもお元気で過ごしていると聞いていますので、ルネもママとの時間を過ごすのかもしれませんね。植物が大好きだなルネは、どんなお花をママに贈るのでしょう。

今回の記事の前に、ルネの「ボクのママは天使」Ma Mère Est Un Angeという歌をyoutubeのビデオで聴いてみることにしましょう。この歌を作ったのは、兄のレジスです。



「ルネを誇りに思いながらポーズをとるルネのママ」 
ルネのママは、ふだんメガネをかけていますが、この画像はメガネなしで、珍しいと思います。



Rene Simard - A Child Like Any Other 3 (youtube)

カナダのルネファン、ケーシーさんがyoutubeにアップしているルネのドキュメンタリー映画「普通の子供」英語吹き替え版からのビデオ。ルネが「ボクのママは天使」'Ma Mere est un ange'を歌っている場面が出て来ます。ルネが歌う前にルネにアドバイスをしているのがgc。このコンサートは、ルネがその後も何度もコンサートをすることになるモントリオールのplace des arts(文化や芸術のための会場として使われる総合施設でカナダ国内では最大)で行われ、1970年12月4日が初演でした。(ref: 'rene &nathalie simard:les enfants cheris du show bizz' by danielle & claudine bachand) ルネの初めてのコンサートでした。

ルネがステージで話し始めたのは、ルネのコンサートと同じ日にホッケーの大きなゲームがあること。それなのにボクのステージを観にきてくれてありがとうと言っています。そしてそのホッケーの進行の様子を伝えています。「(モントリオール)カナディアンズが2対0でリードしてるそうですよ!」と言って、たぶん本当はゲームのことが気になって仕方がない
観客を笑わせています。ケベック人ならだれもが大ファンというモントリオールを本拠地にする世界最古のプロのホッケーチームです。フェイスブックのルネファンも現在ゲーム中なので、そのゲームの様子を盛んにシェアをしています。ルネもカナディアンズとホッケーの大ファン!

その後もルネの可愛らしいおしゃべりが続きます。

「あ、会場に来てくれているだれかさんに気がつきました(ママのことです)。えーと。。1、2、3、4、5、6、7、8。あ、8列目にいますね。みなさんの了解を得て、この女性にちょっと言いたいことがあるんです。」

「ママ、もしママさえ良かったら、ここにいるのがボクとママの二人きりだと思ってね。これからボクが特別にママのために歌うから。」


日本にある私のスクラップブックの雑誌の記事からのママとルネ

Ma Mère Est Un Ange「ボクのママは天使」の英語と日本語訳

 
Mama is an angel    ボクのママは天使さ
I know, believe me   そうなんだよ、信じてよ
Mama is an angel    ママは天使なんだ。
She was meant to be   そう、天使のはずなんだ

I want you always    ボクは、ママがいつも
To be so happy,     幸せでいてほしいんだ

That's because      だって
I love you mama     ボクはママを愛しているから。

Mama is an angel    ボクのママは天使さ

I know, believe me    そうなんだよ、本当なんだよ
Mama is an angel    ママは天使なんだ
She was meant to be   天使のはずなんだ

You are all my life    ママは、ボクの人生
I will always love you   ボクは、これからもいつだって愛しているよ
I can't see you suffer.   ママに辛い目にあってほしくないんだ

Mama is an angel    ママは天使さ
I know, believe me    ボクを信じてよ
Mama is an angel    ママは、天使なんだ
She was meant to be   天使のはずなんだ

Oooo...

Mama is an angel    ママは天使さ
I know, believe me    そうなんだよ、信じてよ
Mama is an angel    ママは天使さ
She was meant to be   天使のはずなんだ

You are all my life    ママはボクの人生さ
I will always love you   これからもいつも愛しているよ

I can't see you suffer.    ママに辛い目にあってほしくないよ


Mama Is An Angel (ma Mère Est Un Ange) Video

Mama Is An Angel (ma Mère Est Un Ange) Lyrics

by René Simard
Single: Mama Is An Angel (ma Mère Est Un Ange)
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Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

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Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

I want you always
To be so happy,
That's because
I love you mama

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Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

I want you always
To be so happy,
That's because
I love you mama

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

Oooo...

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.
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Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

I want you always
To be so happy,
That's because
I love you mama

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

Oooo...

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.
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Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

I want you always
To be so happy,
That's because
I love you mama

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

Oooo...

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.
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Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

I want you always
To be so happy,
That's because
I love you mama

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

Oooo...

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.
Read more at http://www.lyrster.com/lyrics/mama-is-an-angel-ma-mere-est-un-ange-lyrics-rene-simard.html#LjjAszvHeBYkcVQa.99
Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

I want you always
To be so happy,
That's because
I love you mama

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

Oooo...

Mama is an angel
I know, believe me
Mama is an angel
She was meant to be

You are all my life
I will always love you
I can't see you suffer.
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ルネと出会う前の二人のマネージャーについて

では、今回の記事を書いていきましょう。今回は、ルネと出会う前の二人のマ ネージャーについてです。この二人とは、ルネのマネージャーであったギイクルテイ(以下gc)とgcのサポートをするという形でルネのサブマネージャー/ プロデューサーだったルネアンジェリル(以下アンジェリル)のことです。

アンジェリルが「プロダクションgc」で仕事をし始めた頃の紹介の画像



アンジェリルは、プロデューサー、クロデイーヌバチョーは、gcのアシスタント(マネージメントをしていたアーテイストの世話とgcの秘書)、クロデイーヌバチョーの妹のダニエルバチョーは、報道担当者として紹介されています。この他に、受付の女性の紹介もしています。クロデイーヌバチョーは、gcの元で2004年まで約30年(たぶん31年か32年間)の間、仕事をしていました。ルネの世話をデビュー当時からずっとしていた人です。

この画像の上には、この4人の画像の10倍くらいのサイズのプロダクションマネージャーとしてのgcの画像が紹介してあります。(source: rene magazine sincrement/my own)


ネット検索をしてみると、元の二人のマネージャーについてのことは英語、フランス語のサイトで様々なことが書かれています。gcについて現在どんなことが書かれているか、今回の記事では書きません。2004年に、gcは、ルネのマネージメントをやめています。


アンジェリルについては、ご想像通り、セリーヌデイオンのマネージャー、夫としての活躍を読むことができます。けれども、私がとても興味を持っていたルネに出会う前の二人については、あまり詳しく書かれていないようです。アンジェリルは、歌手やコメデイアンとして仕事をしていたので、gcよりは情報がありますが、gcについては、ほとんど詳しい記述はないようです。


正直に言えば、私が最も知りたいと思っていたのは、アンジェリルよりもgcについてでした。ルネと出会う前に、どんなことをしていた人だったのか。そしてルネのマネージャーとして仕事をするようになった経過について知りたいと考えていました。前回の記事その1と同じように、'René Angélil: The Making of Celine Dion: The Unauthorised Biography'  (2004, written by Jean Beaunoyer an Jean Beaulne)の本を読んだ内容をメインに紹介していきたいと思います。




ルネの現在のマネージメントをしているのは、ルネのデビュー当時からgcのオフィスで秘書として働き、ルネの世話をしていたクロデーヌバチョーです。彼女は、2004年にgcのgc コミュニケーションズ(プロダクション会社の名前を数回変えていますが、96年からはこの名前でした)が閉鎖後、彼女自身のマネージメント会社、Claudine Bachand Communicationsを立ち上げて、ルネも奥さんのマリージョセもそこに属しています。なお、gcコミニュケーションズは、gcの娘でタレントのベロニククルテイエ(Veronique Cloutier)がNovemプロダクションという名前に変え、アーテイストのマネージメントセクションを廃止して、テレビとラジオの制作部門をメインに続行していましたが、タレント業に専念し、家族との時間を優先させるために、2009年に売却しています。(ref: veronique cloutier wikipedia)



アンジェリルとgcの出会い/アンジェリルについて


アンジェリルとgcとの出会いは、二人がルネに出会うずっと以前のことでした。1963年の頃だったそうです。その時、アンジェリルは、ケベックでは、人気のあった Les Baronetsという友人2人との3人組のグループでキャバレーなどのクラブ周りをして歌うのを仕事にしていました。高校が終わった18才の頃から週末などを利用して歌っていたようです。gcとの出会いがあったこの頃ビートルズが音楽界に登場、Les Baronetsもビートルズなどの歌をフランス語にして歌ったりしてヒット曲も数曲あり、特に甘いマスクのアンジェリルは女性に人気があったとか。



Les Baronets - Twiste et Chante (ビートルズカバーTwist and Shout) - 1964

Les (Nouveaux) Baronets - Demain (1966)

Les Baronets - Symphatie (1970)

このLes Baronetsもケベックだけでなく、アメリカに進出し、やがてはビートルズのように世界中で活動するという大きな夢を抱いて、アメリカのレコード会社Vee Jay Recordのプロデューサーに見込まれたことを機会に、ニューヨークで英語だけのアルバムのレコーデイングもしたようです。「ビートルズにだって出来たのだから僕たちにだってチャンスはあるかもしれない」(ref: 'international market already', celine) とアンジェリルは仲間に言っています。

残念ながら、そのアルバムはレコーデイング会社がその直後に、破産となってしまい、レコーデイングしたものはその破産管財人の手に落ち、取り返す事ができず、また再度違う会社でレコーデングする予算もなくなり、アメリカ進出の夢はあきらめることになったのです。

アンジェリルも歌手としてアメリカ進出を夢見てレコーデイングまでしていたという事実は、私にルネの全米進出の計画のことを思い出させ、アンジェリルが、ルネやセリーヌの全米進出に熱心に仕事を進めて行く気持ちは、お金を得たいということだけだったのでなく、自分も目指していたことを二人に実現してほしいという強く熱い気持ちがあったのだろうと感じました。


Les Baronetsの人気も無くなり、ステージでのパフォーマンスも惨めなものが多くなり、グループが正式に解散したのは、1973年でした。アンジェリルは、30才になっていました。最初の奥さんと離婚そしてギャンブルで借金もあるという状態。借金は母親が返したらしく、アンジェリルは、違う分野の仕事で再スタートをしたいと考えていました。


Les Baronets時代からマネージメントに興味があったようで、このころすでにマネージメントを始めていたgcのもとで、72年の頃から、何人かの歌手の面倒を見ていたようです。そのうちの一人だったAnne Reneeと、73年に最初の奥さんとの離婚後、74年の7月23日に2度目の結婚をしています。ルネが第3回東京音楽祭でグランプリ/フランクシナトラ賞を獲得したのは、同じ年の6月30日でした。その後ルネ一行がケベックへ帰ったのが7月14日(ref: スーパーアイドルルネ)ということですから、ケベックに戻ってからまもなく結婚したようです。



(source:passion simard)
1974年12月頃にパリに出かけていた時の画像。左端にいるのがアンジェリルが結婚したAnne Renee、隣がクロデイーヌバチョー、ルネの姉のリン、ルネ、そしてアンジェリル。ルネは1974年の12月5日に、パリのオリンピア劇場のステージに出演していました。


ケベックで、マネージャーという仕事を最初に職業として成り立たせたのは、gcだろうとこの本の中に書かれていました。そのマネージャーとしての技量をgcが発揮し始めたのがルネだったということも。アンジェリルは、gcがルネをどのようにマネージメントしていたかということをよく観察していたようです。


ルネは、72年当時、11才。9才の時にテレビの歌の勝ち抜きコンテスト「ジャンロジャーの発見」に出場していた時からgcがマネージメントをはじめ、それから1年もしないうちにデビューさせ、人気者にさせています。



Passion Simard extrait ''un enfant comme les autres'' René chante Ave Maria aux découvertes 

ルネのデビューまでの様子をまとめたドキュメンタリー「普通の子供」からの「ジャンロジャーの発見」に出演シューベルトの「アベマリア」を歌う場面のルネ。この勝ち抜き戦でルネは3段階の最終まで進んだので3つの曲を歌ったことになります。ルネと最後まで競っていたのは、ルネの兄のレジスでした。(passion simard Rene biography より)


gcについて



gcは、1942年、ケベック州のAlma(アルマ)という町に生まれました。(wikipediaでは、生まれたのはチクテイミ、育ったのがAlmaと書かれているようですが) Alma は、ルネが生まれたケベック州Saguenay Lac-Saint_Jean (サグネラックサンジャン)地域にあるChicoutimi(チクテイミ/シクテイミ)の町から45キロメートルしか離れていない位置にあります。サグネ地域で一番大きなチクテイミに比べると、とても小さな町のようです。2009年のチクテイミの人口は6万7千人に対してアルマは、3万人。ルネは、6才の時にオルレアン島に引っ越しをするまでチクテイミに住んでいました。


アルマとサグネ周辺の地図


中央下にケベックシテイ、ルネの生まれたチクテイミのあるサグネ(Saguenay)は、中央上、gcの生まれた町、アルマ(Alma)は、saguenayの左側上にあります。Alma は、サンジャン湖のすぐ近く、サグネはサグネ川沿いの地域。ケベックシテイのすぐ近くにある島がオルレアン島です。

チクテイミの場所を確認したいので、地図をあと一つ。


(source:saguenay-lac saint-jean)

この本の記述によると、gcは、学生時代からいろいろなことを企画して実行するのが得意だったそうです。高校の時には、ダンスパーテイや、グループでの外出などのイベントを企画していたりしていたそうです。高校を卒業してまもなく、La Maison de Palmarès(ヒットパレードの家)という名前のレコードショップを経営するようになり、そのお店は、gcが20才になった頃には Almaの町で成功しているビジネスの一つとなりました。


モントリオールから仕入れて来た新しいレコードが売れるように、地元のラジオ局にしつこいぐらいに頼み込み、そのレコードの曲を流してもらったり、またコンサートツアーをする歌手のスケジュールを熟知していて、そのスケジュールにあわせるようにその歌手のレコードをたくさん仕入れて置くということもしていました。


アンジェリルとの出会いは、1963年ということでしたが、the BaronetsがパフォーマンスをするためにAlmaに来た時に、町のホテルで最初に顔を合わせ、アンジェリルと他の二人のメンバーと親しくなったそうです。gcは、エンターテイメントの世界にとても魅了されていましたが、この後まもなく La Maison de Palmaresは破産をしてしまったことで、エンターテイメントの世界での仕事をしたいという気持ちが強くなったのでしょう。驚くことに1964年から1966年にかけてバンドの歌手として数曲をレコーデイングしています。(wikipedia: guy cloutier)




gcのレコーデイングした歌


破産してしまった後は、かなり貧しい暮らしをしていたそうで、住むところもなくなり、いつもthe Baronetsの3人と一緒にいるようになり、3人のそれぞれの家に寝泊まりをしていたようです。そうしているうちに、the BaronetsのレコーデイングをしているTony Roman(歌手、レコードプロデューサー、映画監督)のレコーデイングスタジオでthe Baronetsのための仕事をするようになりました。この時の収入は、週に150ドルだったそうです。その後、Tony Romanの立ち上げたレコードレーベルCanusaのプロモーションとプロデューサーの仕事をするようになっていきました。Canusaは、60年代、ケベック州で多くのヒット曲を出していたそうです。


Tony Roman
(source:Tete Carre)


もっと手広く才能のあるアーテイスト達のマネージメントをしたいと考えたgcは、1969年に「プロダクションgc」という会社をスタートしています。(wikipedia) その翌年に、「ジャンロジャーの発見」という歌のコンテストに出場していたルネに出会ったわけです。他に数人のマネージメントをしていたそうですが、gcを有名にさせたのは、ルネ、そしてその後デビューしたルネの妹のナタリーでした。


ルネとのgcの出会いは、また改めて記事にしたいと思いますが、ルネのマネージメントをしたいと考えたのは、gcだけではなく、他にもたくさんいたようです。その一人が、gcのプロダクションでマネージメントをしていた歌手の一人、 Patrick Zabé でした。gcよりも一足先にオルレアン島に出かけ、ルネの父親にルネと兄のレジスのマネージメントをしたいと申し込みをしていましたが、断られてしまったそうです。(ref: 'au-dela du silence' 2007 by jean-rock simard)



Patrick Zabe

source: Patrick Zabe ma vie ma musique

1970年頃のPatrick Zabe  画像の右下には、gcプロダクションの連絡先、左下には、 当時のgcのレコード会社、NOBEL(ノーベル)のロゴが見えます。

1999年には、ケベックの芸能界でのこれまでのキャリアと実績を讃えるFelix賞、翌年の2000年には、その年の最も優秀なプロデューサーに贈られるFelix賞をADISQ(からおくられていました。(wikipedia) ミュージュカル、リアリティーショーなどの制作などもしていて、ケベックの芸能界では大物としての存在になっていました。

ADISQ(Association québécoise de l'industrie du disc, du spectacle et de la vidéo)について。1978年に創設されたケベックの音楽、映画産業をサポートする非営利団体。1979年からは、音楽家や歌手、アーテイストなどに賞を贈る授賞式が毎年開かれるようになっています。





左端にいるのがgc、ルネの右にいるのがアンジェリル
(source:スーパーアイドルルネ 1974/my own)


gcとアンジェリルのその後、1975年

ルネの全米進出の計画が失敗に終わった後のアンジェリルとgcの様子はどうだったのでしょうか。ご想像のように、二人の関係は、あまりいいものではなかったようです。アンジェリルは、自分の持っているお金をルネやgcのプロダクションのために注ぎ込んでいたので、gcの対等のパートナーとしてプロダクションをやって行きたい、それからプロダクションの収入の半分も受け取りたいとgcに申し出たそうですが、gcからの返事は、ノー。そのため 独立して、自分のプロダクションを作りました。アンジェリルは、その時、32才となっており、その数年後に14才のセリーヌデイオンとの出会いが待っていたのでした。





テレビ番組に出演する前のルネと日本から取材にやってきた人たち。ルネの背後にいるのは、アンジェリル。 (source: sincerement rene magazine/my own)

ルネと出会う前のアンジェリルとgcについて読んでみていかがだったでしょうか。ルネに出会うまでの二人の生い立ちや経歴を知ったことで、想像していたよりもずっと、二人が持っていたルネへの期待と夢が並々ならないものであったことを感じました。アンジェリルもgcも、エンターテイメントの世界、マネージメントの世界に魅了され、才能を持ったルネに出会うことで、歌手として自分が叶えられなかった自分のことを思い返し、ルネを売り出そうと必死だったのでしょう。そして同時に自分たちの収入と、有能なマネージャーとして社会的に認められることへの願望。


その後の二人の人生は、どうなっていったのかということを見てみると、二人のどちらに対しても大変複雑な思いを感じます。そして、もちろんルネ自身の人生についても。ルネは、全部を知っている、そして受け止めて今も前向きに生きている。そんなルネを見守って応援をして行きたいというのがいつも思うこと。がんばってね、ルネ!