3.2.13

京都 2度目の平野屋さんへの旅 その2


京都 奥嵯峨野鳥居本にある400年続くという平野屋さんへの旅、その2です。今回の記事で一番みなさんに紹介したいと思っているのは、平野屋さんの現在の女将さんが、ルネの撮影が平野屋さんで行われたことに際して覚えている事、女将さんの感想などです。

でも最初に、先週お話ししていたことの続きとして、平野屋さんでいただいた鮎と精進料理 のランチの写真を紹介していきたいと思います。日本には、たくさんゆっくりできるいい所がありますが、ルネがまだあの絣の着物と羽織を着て、あの平野屋さんの縁台に座っているような気がしているファンのみなさんにとって、ゆっくり静かに過ごせる場所で、あの13、14才のルネに会えそうなところに行きたいなら、この平野屋さんを訪ねるのがいいかもしれませんね。10日ほど休みなしに母の看病をしていた私は、どこよりもこの平野屋さんに一刻も早く到着して、心からの深呼吸をしてホッとしたかったという気持ちでいっぱいでした。

では、私が通されたお部屋の様子をビデオでとりましたので、ちょっと観てみましょう。





 ガラス障子の向こう側には、出窓ふうなスペースがありました。お隣にもお部屋があり、向こうに見える場所にも、こちら側より中がモダンなお部屋がいくつかあります。

 出窓の下に見えるのが、鮎の生け簀です。この時期は、鮎が大きくなって、メスかオスかを見分けられるようになっていて美味しい時期だと仲居さんが言っていました。


ビデオを撮っていると、しばらくして、ルネも食べたという「志んこ」(しんこ)という少しねじれが入って、ニッキ味のするお団子(きな粉付き)とお茶が運ばれてきました。最初に、お団子というのも変わっていますね。でも、おなかがすいて、歩いて疲れていたので、とても美味しく頂きました。


 ランチは、湯豆腐がつく精進料理と、湯豆腐に鮎も付いている精進料理のどちらかということで、最初は、湯豆腐のみと決めたのですが、やはり平野屋さんは、鮎料理で有名なところなのですから、鮎もオスとメスどちらも付けていただきました。そして仲居さんが、台所に伝え、板前の若いお兄さんらしき人が、生け簀に行き、鮎を採ってきてくれました。
 

では、次々と運んでいただいたお料理の写真を続けて紹介していきましょう。


最初の一品と、とてもおいしかったサイダー。歴史のある神戸のサイダーということですが、お店などには出回っていない珍しいサイダーなのだそうです。一品は、たぶん湯葉だったと思います。


次は、フキノトウの佃煮と、土筆(ツクシ)の煮付け(かな)ウドと麹みそ。あと二つは、何だったのか。。。思い出せません。


そして、いよいよ嵯峨野の湯豆腐の用意が。



 廊下を挟んで見えた土間の入り口に面したお部屋の風景がとても好きでした。


 湯豆腐と一緒に食べる薬味や、小魚の甘煮、そして鮎。鮎には、ポン酢とわさび?だったでしょうか。そんな味のつけ汁が付いてきました。とっても美味しい!鮎をメスの方から食べ始めた私は、とても苦労して骨を食べないようにいただいていたのですが、めちゃくちゃになってしまって、見苦しいお皿になっていました。そこへ、懐かしい女将さんが来られて、ご挨拶をしました。私の鮎の食べ散らかしを見た女将さんが、「まあ、鮎の食べ方をご覧に入れましょう。」と、オスの鮎の背中をお箸で上手に頭から尾のほうまで砕かれて、そして、頭を持って、お箸をスーッと動かすと。。。なんということでしょう!まるで魔法のように、骨から肉がスルスルとはずれ、魚が骨だけにきれいに現れてきたのでした。さすがです!


見て下さい、この違い! メスの鮎は、タマゴを抱えていました。


少し近況をお話して、食べた後でルネのお話をすることに。


 次は、天ぷら。レンコン、とうがらし?栗、茄子、きのこが、香ばしく、とても美味しい。もう満腹感がしてきました。。。


 そして、ご飯、がんもの煮付け(関西では「ひろうす」と言うらしいです。)、漬け物。これが出て来た時は、もう食べられない!と思ったのですが、2日後には、もう日本を離れることが頭をよぎり、こんな美味しい食事はできないのだとガンバって食べました。


最後には、このきんつばと、「おうす」(お抹茶)。きんつばは、まだ表面の皮がちょうどいいくらいのあたたかさがあって本当に美味しかった!お団子に始まって、きんつばで終わるというのもとても良かったです。満足!このランチの合計金額は、たぶん9500円だったと思います。安くはありませんが、私にとって、9500円の価値は、十分にあったと思います。ランチと静かな時間とそして女将さんとお話の時間がもてたのですから。

さて、では、女将さんとのお話を。
お店は午後になるにしたがって、だんだんお座敷のお部屋に入るお客さまがいて、女将さんは他のお部屋のお客さんに挨拶をしたりして、とても忙しそうでした。でも、ちゃんと私とルネについてのお話を長い間してくれて、感謝でした。

以前の記事でも書いていたかもしれませんが、2年前の訪問の時と今回お話したルネの思い出について女将さんがお話してくれたことをまとめておきたいと思います。(探偵みたいですが!)


1ルネが、撮影に来た時は、車で、何人もの人たちとやって来た。そして、もうあの絣の着物と羽織は着ていた。 

2竹林で撮影されたことは、知らなかった。けれどもきっと近くの竹林だろうとのこと。(竹林の道まで行くと柵があって入れないのでルネが竹林に入って撮影できるようなところではなかったこと。そして車でまたわざわざそこまでは行かなかっただろうと私は考えます。)ということで、私も女将さんの意見に賛成。そして、関係ない話かもしれませんが、ルネを刺したヤブ蚊は、もう天国に行っていることでしょう!

  この後にルネは泣きべそを。。。ヤブ蚊め!

 竹林道の柵が無いところを発見。このあたりのヤブ蚊がルネを刺した?でもやはりここは少し平野屋さんから少し離れているので違うかも。平野屋さん付近にも竹林がありましたからきっとその辺りの竹林で、ルネの撮影があったのでしょう。

 竹林の道。ここは、平野屋さんから徒歩で10分ぐらい?だったでしょうか。少し注意して歩かないと迷いそうな経路ですけれど、奥嵯峨野駅の南口から行くと、ここへ向かう観光客でごったがえしという状態なので、その人たちに付いて行けば簡単です。でも私がお勧めするのは、平野屋さんから静かな道すじを(たとえ迷ってしまっても。。)歩くこと。




3撮影していた時の様子
ルネの撮影があった時、平野屋さんの女将さんは今の女将さんのお母さんの時代でした。そして現在の女将さんはその時、まだとてもお若いお姉さんの時代でした。ルネと一緒に撮影されていた水を撒いている着物の女性は、その当時の女将さんではなく、仲居さんだったということです。その仲居さんは、亡くなっているそうです。

ルネは、あの縁台にちょこんと座り、おとなしくニコニコして撮影にのぞんでいたそうです。とっても小さくて、色白で、着物がとてもよく似合って、ほんとうに可愛らしかったそうです。女将さんがそんなルネを見ていたのは、ルネの背後にあるお店の暖簾の陰でだったそうです。

4女将さんは、その時ルネが一体どんな人なのか、なんで有名なのかまったく知らなかったそうです。ただルネという名前、そして時々今もルネがここで撮影したので来てみたというルネのファンが来ることが、ルネに関して女将さんが知っていることでした。



5ルネが来たのは、夏の頃。ですから平野屋さんの大きな暖簾は、白の麻ぽい暖簾。 春と夏それを使い、秋と冬は、紫の暖簾を使うそうです。ひさしの周りにある短めの暖簾は、「ひきまわし」というのだそうで、それは変えないそうです。今使われている夏の暖簾ルネの頃とは少し違っていると思います。ルネの背後にある暖簾には、右側に、「鮎」とだけありますが、先週お話していたホンダのコマーシャルでショーンレノンが座っている背後にある暖簾には、「鮎司」とあります。「ひきまわし」は、同じ物かもしれません。


 

「香魚」(あゆの肉は香気を帯びるとされ「香魚」とも書かれるそうです。)と書かれてある暖簾の向こう側は、昔ながらの台所。今もこの台所で食事を作っているようです。そして、ちょうど仲居さんがたっているあたりで、女将さんはルネの撮影の様子を見ていたのでしょう。

6ルネは、撮影に使われた「志んこ」(しんこ)というお団子を食べた。おうす(お抹茶)のことはお聞きしませんでしたが、あのお団子を食べたのですからきっとお茶も飲んだ事でしょう!ルネの隣に置いてあったのは、急須でしたから、あの時は、おうすでなくて、ふつうのお茶だったのかもしれません。

7ルネが使ったあのお茶のお茶碗は、今は使われていない。でもきっとどこかにしまってあるはずとのこと。でも、きっと「ルネの使ったお茶碗」を探すのは大変なことでしょう。。。お皿も!

8今もルネを想うファンが訪ねてくるときがある。そしてすごいファンになると、そこで泣き出してしまう人もいたそうです。 女将さんが言っていました。「ですから、ルネさんという人はよほど魅力的な人だった/なのでしょうね。」

 9女将さんが、ルネの歌を聴いたのは、私のアイパッドに入っていた「ミドリ色の屋根」と2003年に発売されたアルバムの曲を聴いたのが、初めて!ルネが歌手であったということも知らなかったそうです。ルネのこれまでの歴史のようなことについてお話をさせていただきました。そして、私のお話に耳を傾けながら、アイパッドの写真をパッパッと次から次にめくり、ルネの小さな頃、日本での写真、英語圏やケベックでの青年ルネ、そして結婚、二人のお子さんのこと、現在のルネの様子などを興味深そうに眺めていらっしゃいました。そして、ルネの歌を聴いておっしゃったことは、ルネがとても純粋な人のように感じられること、そしてそれが歌いかたにもあふれている雰囲気。小さな頃の面影が今のルネにも残っていること。それは姿だけではなくて、精神的なことも。

なんともいい風景。。。

女将さんの「ルネさん、ルネさん」という響きが大好きです。とても優しくて。今まで「ルネさん」とルネのことを呼ぶ人に会わなかったからでしょうか。そして女将さんは、「今もこうしてルネさんとのご縁で、平野屋にきてくださったり、想ってくださる人たちがいて、ほんとうに感謝している。」と言われていました。

ルネのことをひとしきりお話した後、女将さんに自由にルネについての思い出などを話しているところをビデオに撮り、このブログにアップしてルネのファンの方達に紹介してもいいでしょうかというリクエストに応えてくださいました。女将さんのお話は、ルネについての思い出全てを語っているわけではありませんが、女将さんの声と人柄がおわかりになると思います。ビデオは、3つに分けてアップいたします。つながりの部分が繰り返しの内容になっているかもしれません。

女将さんビデオ1



 女将さんビデオ2



 女将さんビデオ3





女将さんにはお忙しい時間の中、私の話におつきあいくださって、大変感謝いたしています。帰途につく間際、女将さんがお香入れとお香、平野屋の可愛らしいおみくじマッチ、美味しい葛の花まで!そして絵はがきと平野屋のブックレットなどをお土産に 用意して下さり、マッチをのぞき、他の物は大切にオークランドに持ち帰りました。お香は、本棚の上に置いてあり、そこの前を通り過ぎる度に、京都の平野屋さんの香りとともに、あの縁側にちょこんと座っている小さなルネの香りまでしてくるように思います。そして女将さんの「ルネさん」というお声も。


最後に2年前と同じように、ルネの座った場所で写真を女将さんといっしょに撮り、お別れしてきました。女将さんには、このブログのリンクを送ってありますので、きっと読んでいて下さっていることでしょう。

「女将さんへ
親 切にお話をしてくださり、貴重なお時間をいただき、大変ありがとうございました。ルネについてゆっくりと女将さんとお話できたことは、宝物です。京都を訪 れた際には、また是非寄らしていただきたいと思います。また、ルネのファンの方たちが訪れることと思いますが、女将さんにお声をかけましたら、どうぞよろ しくおねがいいたします。」 リコ

 では、みなさま、「2度目の平野屋さんへの旅 その2」楽しんでいただけましたように。

Riko Auckland


平野屋公式サイト
〒616-8437
京都市右京区
鳥居本仙翁町16
TEL&FAX
075(861)0359
JR京都駅から京都バス72系統清滝行きで45分、鳥居本下車、徒歩5分
営業時間:9:00~19:00(閉店21:00、食事は11:30~、要予約) 
定休日:無休







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