12.11.12

モントリオール1985年の夏休みー最終回/その25(Ottawa 7 ルネとの時間)



ついに最終回です!


今夜は、このモントリオール1985年の夏休みの記事を終了させたい!と思います。ふうう。。。このテーマで25回も書いてしまうことになるなん て!予想もしていませんでした。最初は、モントリオールでの様子、そしてルネのコンサートのことのみを書こうと考えていたのに、書き始めたら、最初から書 いて思い出の記録にしたいというように気持ちが変わり、モントリオールへ出発するバンクーバーからの記事を書き始めたのでした。

今夜は、それもとうとう最後です。ルネとコンサートの後で会ったことについての内容。会った内容というよりも、私が感じたり思ったりしたことになると思います。

では、今回日本で新たに見つけてきたコンサートの写真、それからこの旅行の写真の何枚かを紹介しながら、そのルネと会った時のことを書いていきたいと思います。




旅行のアルバムをもう一度見ていたら見つけたこのオタワでのコンサートのルネ。以前にアップしていた写真とは、別の衣装を着ています。これは、私が観たコンサートの一日目のステージ。ステージからこんなに近い席だったのですね。


前回の記事について

この旅行の2年前の83年に東京で会った/見たルネのことは、前回の記事で書いた通りです。その記事には、ただただ少年から成人したルネの姿、そして13 才のルネに生き写しのようなナタリーの姿を同時に見ていろいろな意味で衝撃を受けたことなどを書いたのですが、そのあとfacebookのルネシマールの ページ(日本のファンの方との日本語で交流しているページです。)で、このときの事をもう少し落ち着いて書き初めて、気がついた事がありました。

それは、 ルネの姿のみに衝撃を受けただけではなかったこと。それまで、わずかに残っていたルネのファンで集めた「ルネを東京音楽祭のゲストとして来日させる署名」 集めなどの活動、制作していた手作りのファンクラブの会報などを、東京のカナダ大使館、TBS, 東京音楽祭事務局、モントリオールのgcのオフィスなどに送って、なんとかルネに日本のファンがこんなにルネのことを想い続けている事、連絡がとりたいこと、日本でも活動または、日本からでもルネのレコードを購入できるようにしたいことなどが叶うように活動を続けていたのに、そのような努力や気持ちがきちんとした形でルネやgcからの返答が無かったという結果に終わっていた状況の中、ルネの来日が大きな力が動いたら、これほどすんなりという感じで実現したということに、怒りと失望という気持ちがあったから、あれほど衝撃を受けたという記憶があるのだと。



このルネは、コンサート2日目のルネ。席はずっと後ろの方でした。上下とも白の衣装のルネが、想いを込めて歌っている姿。こうして見ると、ちゃんと大人の人たちも大勢来ていたコンサートだったのですね。


今考えれば、gcの下で働いていたルネにとっては、日本のわずかに残っていたファン のために行動を起こしたくてもできないことは明白、そして大きなお金が働いたり、目的がないことには、ルネサイドも何もする手段がなかったのでしょう。で も、自分たちにできることが小さすぎて、弱すぎたことが、とても悲しかったのです。自分のすぐ前にいる大人になった/なってしまったルネを見ていると、よけいに。

 ルネサイドからは、きちんとした連絡が無かったと言いましたが、一ヶ月に一度は、ルネ個人宛に手紙も書いていた私には、ルネからときどきメモ程度のメッセー ジが、プロマイドやレコード、小さめのポスター、コンサートのプログラムなどが送られてきていました。ルネが成人した記念にレコーデイングしたレコードと それを記念して行われたコンサートのプログラムが送られて来た時には、おいおいと泣いてしまいました。" thank you very much for your letters, i read them.  please write again"  などと書かれていましたから、ほんとにルネは、ちゃんと読んでいてくれていたのだと嬉しかったことを覚えています。83年の東京でのルネにそのこともちゃんとお礼を行っておくべきだったのですが。。。それも出来なかった!


 これは、コンサートのプログラムです。アルバムの中に貼ってしまっていたものです。以前の記事の中で紹介していた写真にルネについての紹介がありますが、その紹介のページは、この中にあったものです。他のページも調べてみましたが、ほとんどが、スポンサーになっている会社の宣伝のページでしたので、写真に収めてきませんでした。このプログラムをよく見てわかったことは、このコンサートは、3日間あったこと。私が観たのは、2日目と3日目だったのでした。


では、オタワのコンサート会場の入り口付近へタイムスリップいたしましょう。ルネのところへ行こうと言ってくれたジャンさんの後へついて歩き始めました。ジャンさんがコンサートの前に会った時に消えて行った楽屋の入り口へ、私も入ったのでした。廊下がずっと続いていて、たくさんの楽屋の部屋がありました。 

ドキンドキン。。。これは、ルネへと続く廊下?本当にルネに会うの?会ってしまうの!?というようないろいろな想いが胸と頭を駆け巡っていました。ジャンさんは、どんどん奥へ。この時、ナタリーが、どこかの部屋から顔を出しました!ジャンさんが、私のことを紹介。どう紹介したのか?覚えていません!ただ、ナタリーが、英語で「ハロー」と言ったのは、覚えているような。。。でも、ナタリーの可愛らしい笑顔は、よく覚えていて、ステキでした。2年前の13才のナタリーの姿では、まったくなくて、15才のナタリーは、ステージで観ていたように、もう立派な年頃の女の子という感じに成長していました。なんだかとっても充実しているようなしあわせそうな笑顔だったんです。


コンサートの最後に挨拶しているルネとナタリー、このあと、他の出演者もみんな呼んで全員で挨拶。この写真は、きっと私が観た2日目のもの。
 

そして、いよいよ、ルネの楽屋へ。。。これは、以前の記事で書いていた事かもしれませんが、facebookで出会えたケベックのルネのファンの一人が、この時すでにルネの楽屋でコンサートを終えたルネとお話していたのだそうです。 そして、だれかが、日本からのファンが会いに来ていることを伝えにやってきて、二人のお話が終わったそうなのです。そのファンが楽屋の廊下を歩き始めて去ろうとしていた時に、私が来たのだとお話してくれました。28年目にして初めて、あの時に起きていたことの一部を知る事ができたのは、なんともいえない気持ちでした。そのファンの方は、ルネとは、とても親しくしている様子で、その時ルネとお話していたことを教えてくれました。私が一度目にみたコンサートは、「お客さんの乗り」が今ひとつで、盛り上げるのにとっても苦労したそうで、ルネは、あまり満足していなかったのだそうです。うーん。。。そういわれてみれば、もっと会場のファンに踊ったり歌ったりしてもらうためにルネは、一生懸命でしたよね。。。その一人だった私も、28年目にして反省いたしました。(でも大きな声を出さなかったのは。。。テープにコンサートの様子を録るためでもありました!ルネ、ごめんなさい!)

 
 そして、ついにジャンさんが、ルネのお部屋をノック。

「ああああああああああーー!どうしよう!」
「どんな顔をしてルネに会ったらいいのでしょう?」

という気持ちを整理する間もなく、ジャンさんが私をルネに紹介。2年前にも東京で会ったでしょうとかなんとか言っていたような。。。会ったのではなくて見たんですけど。。!

そして満面笑顔のルネの顔が、すぐそこにやってきて!
「あああああ!ルネだわ、ルネなんだわ」(という気持ちの私)
ルネは、もうステージ衣装から、ふだんのシャツとズボンに着替えていました。お化粧もおとしてありました。

ルネと握手、そして あっという間にルネが私の頬にキスを。。。!
(卒倒しそうでした。。。でも、なんとか倒れないように。。。もう二度と頬を洗わないようにしよう!とそればかり考えていたように思います。)私もたぶんルネの頬にキスを軽くしたような。。。ああああ。。。頬に当たったルネの唇の感触は。。。 えーと。。言わないでおきましょう!


ジャンさんからいただいたコンサートのチケット。これも今回日本にいる間にアルバムの中から見つけたものです。

覚えているルネとの会話を書きます。

ジャン:じゃ、しばらく二人で話していてね。
ルネ:オーケー
私:はい。。。

ルネの楽屋の鏡の前の椅子に座ります。ルネが鏡に向かって右側で私が左側。(たくさん忘れているのにこんな事は覚えています。。。不思議)
ルネ:2年前に東京で会いましたか?
私:いえ、東京プリンスホテルの前夜祭で会ったのですが、声はかけずにおわったんです。
恥ずかしくて。。。(あの時の本当のことは、たぶん言えずにいたと思います。 )
ルネ:あああ、そうだったの!でも、どうして今カナダに?そしてどうして、僕のこのコンサートに!?(このあたりのルネは、お茶目な感じのルネでした。)
私:去年から、BC州に留学していて、この夏休みを利用して電車でのカナダ横断旅行をしてケベックに到着後、ジャンさんと会う機会があって、ジャンさんがこのコンサートのことを話して下さって、それで招待してくれたんです。
ルネ:えええ、それは、すごい!なんの勉強をしているんですか。
私:英語です。それから、こちらの学校のシステムと教育事情、実際の教室の中での授業の進め方や教授法について。
ルネ:へえ、そうなんですか。おもしろいですか。
私:はい、違う事がたくさんあって、おもしろいと思います。
ルネ:僕のコンサートは、どうでしたか。楽しみましたか。
私:もちろんです。ルネのコンサートが観れるなんて、夢にも思っていなかった事でしたから。。。
ルネ:よかった!ところで、僕はまだ、日本での歌を歌えますよ。ほら。。。。



 なんと。。。シャトーフロンテナックを背景にしての私です。写真が古くて、ipadで、大きく引き延ばしても顔がよくわからないようなものなのでアップいたしました。。笑


なんと、ここで、ルネは、私一人のために歌いだしました。小さな声で。。。
その曲は、「ミドリ色の屋根」(やっぱり!)

「どううして、そんなに〜〜悲しい顔で〜。。。。」

最後に近いぐらいまで歌ってくれたと思います。そのときのルネは、小さな声でも真剣に13才のルネと同じように心をこめて歌っていました。。そのルネの顔をじっと見る私。私の中で、23才のルネの顔が13才のルネの顔に変わって行きます。。。ルネと私だけの静かな、でも今までの想いがギュッと濃縮された時間。。。ルネには想像もつかないようなこれまでのこと。。。

ルネ:ほらね。今でもこの曲は、ちゃんと歌えるんです。(そういえば、ルネは、今でもよくこのようにして、「ミドリ色の屋根」を歌っているビデオがpassion rene nathalie et regis simard のfacebookのページで紹介されています。)
私:そうですねえ、偉いです!
ルネ:笑
私:笑
私:感動です。歌っていただいてありがとうございました!
ルネ:どういたしまして!
私:ルネは、日本のことをどう思っているんですか。また、日本で歌ってくれるのでしょうか。。。
ルネ:日本のこと。。。日本のことは、本当に遠い昔のことなんです。
Long Long time ago...
私:遠い昔むかしのこと。。。なんですか。。そうなんですか。。。



ケベックの城塞の近衛兵と

この後の会話は思い出せません。。。
ただこの後のルネのお話する表情や、雰囲気のことは覚えているのですけれど。ルネは、ずっときちんとお話につきあってくれたこと、そして、とても真面目そうなルネ。有名人にありがちなチャラチャラしたところなどは、微塵もありませんでした。とっても普通な静かな礼儀正しい人でした。けれども、時々、悲しそうな、さみしそうな表情がみえたような気がします。そんな表情を感じた時、ルネの心には入って行けない、触れてはいけないような雰囲気がありました。


それから感じた事は、ルネは、もうとても有名でちゃんとした位置のあるアーテイストなのに、汗をかきながら、いろいろなことを考え心配しながら、いっしょうけんめい自分の仕事を頑張っていること、これからもそのように続けて行くこと。あのあどけなく、可愛らしかったルネとは、まったく別人のようなルネの大人の雰囲気と話し方。日本のことは、遠い昔の事と言ったルネ。そして、日本で人気のあったことや思い出などは、まったく口にしなかったルネ。


 モントリオール、サンテレーヌ島


2012年の現在、ルネは、13才の昔の頃のルネのように、また明るくてお茶目で、楽しくお話していますけど、この時のルネは、そのようなルネとはほんとに違って、どんな内容のことを話したらいいかよく考えて話さなくては。。と思わせるような真面目で真剣で、そして少し悲しそうにも見える人のように私には見えたのです。公の場にいるルネのビデオや記事でのルネと、一人になった時のルネは、今でもやはり違うのかもしれませんね。人はだれでも、一人になるとそういうものなのかもしれません。コンサートの後ということもあって、疲れていたのかも知れません。 「本当のルネ」とは、一体どういう人であるのかなどということは、誰にも分からないことだと思います。


けれども、この時、私が感じた、会ったルネは、まだ13才のルネへの想いでいっぱいの、「ルネ!ルネ!ルネ!」という気持ちでいた私から、その幼いルネへのどうしょうもない恋しさを消して、いえ、13才のルネを自分の中に、そっとしておき、自分も今のルネと同じように大人になろう、そして、いつまでもルネのことばかりを中心に考えていないで、ちゃんと自分のこれからの夢に向かって歩き出さないといけないのだ」という強い気持ちにさせてくれたのです。



 ジャスパーで


ルネには、これまで、ルネの来日が実現し、また日本のファンとつながってほしいという目標のあった活動のこと、ずっと手紙を書いていたこと、返事をもらっていたこと、そして83年の気持ちのことなど、伝えたい事はたくさんあったのに、結局は、そういったことは何も話さずにおわったとおもいます。特にルネの中では、日本のことはもう遠い昔の話という気持ちでいることがわかった時点で、また日本で活躍してほしいことをいうのは、場違い的な雰囲気がありました。そして、胸がいっぱい、頭の中は真っ白状態で、なんとかルネとのお話を続けていた私でしたから、話したい事を全部話すのは、無理だったのです。そして、なんと言っても、ルネは、コンサートの後で相当疲れていたのですから、はやく休ませてあげたいと思っていた事も事実。今、この時の気持ちを書けるのは、このぐらいです。。。といっても、もうすごく書いていますね!



 ストラットフォードのB&Bの入り口で、ブレンダさんと。シェイクスピアフェステバルで観劇した喜劇「パイレーツ」のプログラム



そして、とうとうルネとのお別れの時間がやってきました。ジャンさんがまたきて、ルネとまた握手と頬にキス(あああ、なんということでしょう。もう私は、28年間毎日、その手と頬を洗ってしまっています。。。)をして、お別れ。このあたり、実は記憶があいまいなのです。なぜかというと、コンサートには、その翌日の夜も招待していただいて、もしかするとまたルネに会っていたのかもしれないからです。どうしてそう思うのかというと、ルネとは、写真を一緒にとっていただいていたからなのです。その時、ルネは、確か花束を持っていたのですけれど、一日目のコンサートの時には、花束を持って行っていなかったという記憶があります。二日目は、さすがにお花を持って行っていたと思うので、その時のお花は、2度目に会ったときのものかもしれません。28年という年月は、やはりすごいものですね。あれほどの大切な思い出もこんなに忘れてしまっているのですから。その写真は、残念ながら、公開はいたしません。ごめんなさい。。。(見たくなかったかもしれませんが!)




 ファンクラブインターナショナル ルネナタリーシマールのニコルさんからの手紙。ニコルさんには、この後数年間お便りを書いていたと思います。


これで、25回も続けて書いてしまった「モントリオール1985年の夏休み」の記事を終わりにいたします。長い記事になり、最後のルネとの時間のことは、特に時間がかかってしまいましたが、これまで、私の冒険旅行におつきあいいただき、読んでいただきありがとうございました。よい旅行の記録と思い出の整理ができました。

時間は、もうすぐ午前3時!でもようやく終わらせることができたので、やっと安心して眠る事ができます。




ローラさんがfacebookに参加!


  2004年頃からルネファンのお友達としてお話させていただいていたローラさんがfacebookに先週末から参加されています。ローラさんは、このpassionルネシマールau japonのメンバーとしても、このブログで紹介していた方です。youtubeにもたくさんルネの懐かしいビデオや音源をスライドショーでアップされています。


René Simard 1975 TV Appearance Radio Canada

 日本からルネが姿を消してしまった後の数年、ルネがカナダの英語圏のオンタリオ州トロントで仕事をするようになった時に、ルネと交流を持つ機会が多くあったファンの方です。 日本のファンがルネを恋しがっていた時のそのルネを実際に見て、会って、お話をしていたのです。そんなルネの思い出や画像、そしてyoutubeでも紹介されているビデオについてのことをfacebookでお話されはじめています。これからも、ローラさんのお話を楽しみにしていたいと思います。



ローラさんがルネと一緒に撮った写真も見ることができます。そして、ルネがどんな様子で少年から青年に変わって行っているのが紹介されている画像で分かります。ルネを恋しいがっていた日本のファンには、たまらなく切なくなる画像かもしれません。

René Simard - Make Music 1970s


ルネのことをもっと身近に感じられるfacebookのルネのたくさんのファンのお友達に、もっと多くの日本のルネのファンが出会って、ルネのお話や思い出をシェアし合うことができたら素晴らしいと思います。このブログを読んでいて下さるルネを今も思い出しているファンのみなさまも、ぜひfacebookのほうにおいで下さいませ!あっと言う間に、ルネの世界に引き戻されます!ルネだけでなく、他のルネファンのお友達と知り合いになる事も楽しいんです。ルネを知った頃の自分の事、今までの事、そして現在の事を含めてお話もできることでしょう。


では、ローラさんが最近youtubeにアップされ、facebookでも紹介されていた1975年の全米に放送された「マイクダグラスショー」 に出演した様子の音源を使ってのスライドショービデオをここでも紹介しておきます。ルネは、日本でファーストコンサートに使用したステージ衣装を着ているようですね。ルネがたどたどしい英語をつかって楽しそうにお話している様子が聞こえてきます。その様子が、かわいくて、おかしくて何度も笑ったり微笑んだりしている自分がいました。ローラさんも、この放送が大好きだったらしくて自分で録ったこの音源のテープを何度も何度も聴いていたそうです。

なお、ルネの出演後、この番組が始まって以来の数のルネについての手紙が視聴者からこの番組に届けられたそうですよ。


Thank you so much, Lora!

René Simard - Mike Douglas Show 1975





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